Aさんは過食の症状で定期的にご相談に来られている方です。摂食障害で悩んでいる多くの方々と同様に、Aさんも感情にアクセスすることや感情を感じることが苦手で、あらゆる方法で感情をダイレクトに感じることから守ってきました。
いつもきちんとした身なりで外出することも、人に迷惑をかけないように常に意識することも、テストの準備を完璧にしようとすることも、そして過食もAさんが感情を感じてつらい気持ちになることから守ってくれていたのです。
Aさんはカウンセリングや日常の生活の中で、自分の考えていることや気持ちを振り返り気づきを重ねていきました。そしてその気づきへの向き合い方を試行錯誤し、次第に完璧を目指すクセも過食の頻度も徐々に減っていきました。
過食の引き金になる感情とその向き合い方
数カ月ぶりにいらっしゃったAさんは、久しぶりに過食をしたことを話してくださいました。そして、その過食のきっかけとなった感情が「寂しさ」だったことを教えてくださいました。
感情へのアクセスがずいぶんできるようになられたんだなあと、これまでのAさんのたどってきた道のりを振り返り、とても感慨深く感じました。
ただその「寂しい」という感情をどう扱ったらいいかわからず、今回も過食に助けてもらったのです。
感情とどう向き合うかを話し合っていた時に、Aさんが最近イヤホンで音楽を聴くことをやめるようにしていると話してくださいました。
Aさん『一人という空間に慣れないなと気づき始めたので、気分を上げたい時は音楽聞くけど、一人で出かけるときに何も聞かないといいのかなと思って試している』
今回、過食をしたけれど、それが寂しいという感情に対処するためだったと気づくことができたのも、Aさんが「一人という空間」で自分がどう感じるかを自ら向き合おうと日頃から取り組んでいたことが役に立ったのだと思います。
感情と過食の関係
過食や過食嘔吐の引き金になるものとして「何もすることがない」状況があります。何もすることがない時に、何らかの感情が生じてそれに反応して食べたくなるのです。
Aさんは気づいていたんですね。音楽を聴くことも感情を感じることから守る手段になっていたことに。そして、ご自分でそのことに気づいて、それを変えてみようと試みていた。
これが、自分の心の声に耳を傾けようとする心の姿勢であり、自分への思いやりです。
摂食障害で悩んでいらっしゃる方々は、自分より他者や仕事などが優先になってしまう方がとても多いです。そのようにやってこられたことで、他者から信頼されたり、仕事などで成果を上げられたなど役に立った部分もありますよね。でも自分の声を聴くことを後回しにしてきた結果、自分をどう労わればいいのか、どうしたら自分が本当に安心するのか、満足するのかわからなくなってしまっていませんか?
感情にアクセスすること、感情に自分自身で寄り添うこと、そして感情を指標に自分が本当に必要としていることに向かって変化を起こしていくこと。
リューココリーネのカウンセリングでは、このポイントを一緒に取り組んでいきます。
過食や過食嘔吐でお困りの方や愛着やトラウマ関連でお困りの方、自分の本当の気持ちがわからないと感じている方は、急に感情にアクセスしようとするとつらい気持ちが強まってしまう場合が多いです。あるいは、感情を感じるということがどういうことかよくわからないということの方が多いかもしれません。ですから、まずは自分のこころと向き合う姿勢を作ることから始めましょう。
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