自分がどうしたいのか何を期待しているのか、あなたはいつもわかっていますか?
最近のカウンセリングで、友達の悩みごとや同僚の話を聞くことが嫌になってしまっているという話題が立て続きました。
その方々のお話を伺うと、「解決するための建設的な話なら聞くけど」とか「もっと自分で考えてほしい」とおっしゃいます。相手の力にはなりたい気持ちはあるけど、「こうしてみたら?」とアドバイスしても「でも…」と受け入れてもらえず、引き続き愚痴や不満を聞き続ける状況にちょっとうんざりしてしまっているようです。
相手の相談に対してどう対応したらいいのかわからなくて困っていらっしゃるみたいですね。
このような状況に向きあうためのポイントは二つあります。
一つ目は、自分は相手に何を期待しているのか、相手は自分に何を期待しているのかという視点を取り入れることです。
もう一つは、相手と自分が感じている感情や気持ちそれぞれにただ寄り添うということ。
自分の気持ちに気づき、整理する
人の悩み事や愚痴を聞いていると、最初は「大変だね」と親身に聞いていても、だんだん話を聞き続けることが難しく感じてくることってありませんか?
それは自分の中でいろんな気持ちや感情が起こっているからです。
・話を聞いてあげたい気持ち
・相手の状況を何とかしなければという気持ち
・今忙しいからそろそろ切り上げてほしいという気持ち
・私のあの時の経験と似ているなと思い出して何となく嫌な気持ちになっていたり
などなど
自分の中のいろんな気持ちに気づかずに、あるいは気づいていても整理されずに混とんとしたままで相手の話を聞いている状態が続くと、思わず「もういい加減にしてよ!」と声を荒げてしまって後悔したり、相手の期待していないアドバイスや正論を言ってしまい、相手の「でも」「だって」の反応に疲れ果ててしまいます。
本当は相手の力にはなりたい気持ちがあるのに、とても残念ですね。
自分の期待を明確する
私たちは感情を指標に自分が本当に必要としていることに気づくことができます。
ですから、自分の中のいろんな気持ちや考えに一つ一つ気づいて、だからイライラしてるんだ!とか、だからそわそわしてるんだ!と自分の感情を理解してあげることが大切です。
例えば、解決するために建設的な話をするべきだという考えがあり、そうしない友達を前にするとイライラしていたとしたら、この考えとイライラは、友達と楽しい時間を過ごしたいのにそうできない辛さを教えてくれているかもしれません。
もっと自分で考えるべきだという考えがあり、何でも相談してくる同僚にムカッとしたとしたら、その考えと感情は、本当は自分の仕事を優先したいという自分の期待を教えてくれるかもしれません。
このように、自分の考えや気持ち、感情に気づき、今自分が本当に必要としているのは何かな?と尋ねてあげる心の姿勢を持つこと。
そうすることで混とんとしたこころの状態を整理し、自分の期待を明確にしていきます。
相手の期待を理解する
そして相手の期待にも耳を傾けます。相手は私に何を期待しているのでしょうか?
相手の困りごとを解決してほしいのでしょうか?アドバイスしてほしいのでしょうか?ただ話を聞いてほしいのでしょうか?
恐らく相手はそれを言葉にしないことが多いかもしれません。相手のこころも混とんとしているのです。
このようにして、自分は相手に何を期待しているのか、相手は自分に何を期待しているのかという視点を取り入れて話をするだけでも、二人の会話はずいぶん変わってくるかもしれません。たとえお互いの期待がはっきりしないままだったとしても、相手の期待は何だろうという視点をもって話を聞くだけでもいいのです。
お互いの感情や気持ちに寄り添う
それでも相手のイライラや不安や困っている気持ちはすぐになくなりません。
自分の期待がわかっても、自分の期待通りにならないことはとても多いです。それでは落ち着かない気持ちはまだ残っていることでしょう。
ここで大切なのは、もう一つのポイントである「相手の気持ちと自分の気持ちにただ寄り添うということ」です。相手が今どんな感情を感じ、どんな気持ちで話をしているのかに思いをはせ、そして自分は今どんな気持ちを感じているのかにも意識を向けながら話を聞くこと。自分の中に起こる気持ちや感情を消したり、変えようとせず、ただ理解しようとするということです。
例えば、ああ友達は今、自分でもどうしたらいいかわからずにただごちゃごちゃした気持ちを聞いてほしいだけなのかな?
同僚も思い通りにならないことが立て続いて、余裕がなくなっているのかな?私も今本当は仕事を優先したいのに思い通りにならなくてイライラしているけど、もしかして同僚もこんな気持ちなのかな?
などと想像しながら、そこにとどまり話を聞くことで、つながりや信頼関係が作られていくのです。
自分の気持ちに耳を傾けるために
安心できる人間関係を気づいていくためには、自分と相手両方の感情や気持ちを大切に扱うことがとても重要です。その感情や気持ちがあなたの本当に求めていることを教えてくれるからです。
ところが、摂食障害や愛着、トラウマ関連でお困りの方は、感情を感じることが苦手です。感情を感じるということはとてもつらく苦しいものだと頭や身体が記憶しているからです。
ですからまずは自分のこころの動きを理解することから始めましょう。
その時に忘れないでいてほしいのは、気持ちの整理の仕方や感情の扱い方がわかるようになるまでの間は、過食や過食嘔吐、解離などが自分のこころを守るための大切な支えになってくれているのだということです。
過食や過食嘔吐、解離などは、今はまだ感じることがつらい感情や気持ちから守ってくれているのだということを理解しながら、少しずつ自分のこころに耳を傾ける姿勢を作っていきましょう。
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