トラウマ・愛着と人間関係の悩み

「人に嫌われることが怖くて、つい相手に合わせてしまう」

「人と親しくなりたいのに、近づかれると苦しくなる」

「相手のちょっとした反応が気になって、何度も考えてしまう」

「自分がどうしたいのか、何を感じているのか、よく分からない」

そんな生きづらさを抱えていても、「自分の性格だから仕方がない」「もっと気にしないようにすればいい」と、ひとりで何とかしようとしている方もいます。

けれど、今の自分の感じ方や人との関わり方には、これまでの経験や、今置かれている環境など、さまざまなことが関係している場合があります。

大切なのは、原因を一つに決めることではなく、

「私は、どんなときに苦しくなるのだろう」
「そのとき、自分の中では何が起きているのだろう」

と、今の自分を少しずつ知っていくことです。

これまで身につけてきたものをすべて変えるのではなく、自分の気持ちや感覚に気づき、今の自分に合った関わり方や生き方を少しずつ選べるようになっていく。

このページでは、対人関係の悩みや愛着、トラウマなどによる生きづらさと、そこからの回復について考えていきます。

生きづらさには、いろいろな背景があります

「どうして私は、こんなに人の反応が気になるのだろう」

「どうしていつも、自分より相手を優先してしまうのだろう」

「頭では大丈夫だと分かっているのに、どうしてこんなに不安になるのだろう」

その背景には、生まれ持った感じやすさや気質、育ってきた環境、家族や周囲の人との関係、傷ついた経験や安心できた経験、そして現在の生活環境や負担など、さまざまなものが関係していることがあります。

これまで自分を守るために身につけてきた関わり方が、今ではかえって苦しさにつながっていることもあります。

一方で、対人関係の悩みや生きづらさを、すべて過去の経験や愛着、トラウマによって説明できるわけではありません。

「自分には何か問題がある」と決めつけるのではなく、自分に何が起きているのかを知っていくこと。

そこから、これまでとは少し違う選択ができるようになることがあります。

生きづらさを理解するための、いくつかの視点

同じ「人との関係がつらい」「生きづらい」という悩みでも、その背景は人によって異なります。

愛着・人との関係

「嫌われたのではないか」と不安になりやすい。
人に頼ることが苦手。
親しくなりたいのに、距離が近づくと苦しくなる。

こうした人とのつながり方を考えるとき、「愛着」という視点が役に立つことがあります。

愛着は人をタイプ分けして決めつけるためのものではなく、人との関係で自分にどんなことが起きやすいのかを理解するための一つの視点です。

→愛着と人間関係 について詳しく読む

トラウマ・過去の体験

頭では「大丈夫」と分かっているのに身体が緊張する、人の表情や声に強く反応する、似たような場面になると身体が固まるなど、自分でも理由がよく分からないまま、心や身体が反応することがあります。

こうした反応には、これまでに経験してきたことが関係している場合があります。ただ、「何が原因なのか」「どの体験が影響しているのか」を無理に探す必要はありません。

まずは、今どんなときに苦しくなり、自分の中で何が起きているのかを知っていくことが大切です。

→トラウマとその影響について詳しく読む

自分の気持ち・自分との関係

「何がつらいのか、自分でも分からない」

「自分がどうしたいかより、相手のことを先に考えてしまう」

「無理をしていたことに、あとから気づく」

そんな方もいます。

自分の気持ちや身体の感覚に少しずつ気づけるようになることは、自分にとって無理のない選択や、人との関わり方を見つけるための手がかりにもなります。

→「自分の気持ちがわからない」と感じる方へ

「回復する」とは、どういうことでしょうか

対人関係の悩みや生きづらさから回復することは、人の目がまったく気にならなくなったり、不安やつらい気持ちがすべてなくなったりすることだけを意味するものではありません。

人との関係で不安になったときに、

「今、私は不安になっているんだな」

と気づけるようになる。

相手に合わせるだけではなく、

「私は本当はどうしたいのだろう」

と、自分の気持ちにも目を向けられるようになる。

嫌なことを我慢し続けるのではなく、自分にとって無理のない距離を考えたり、必要なときには誰かを頼ったりできるようになる。

過去の体験による反応が起きたときにも、それに圧倒されるだけではなく、少しずつ今の自分に戻ってこられるようになる。

自分の気持ちや身体の感覚に気づき、自分を置き去りにせずに、人との関わり方や生き方を少しずつ自分で選べるようになっていくこと。

それも、回復の一つの形だと考えています。

ここまで、さまざまなことを抱えながら、たくさん頑張ってきた方もいると思います。

トラウマからの回復は、さらに頑張って自分を変えていくことだけではありません。

頑張り続けなくても大丈夫だと感じられる時間や、安心して力を抜いていられる感覚を、少しずつ取り戻していくこと。

そんな時間を重ねていくことも、大切な回復のプロセスです。

トラウマ・愛着と人間関係のカウンセリングについて

人との関係で繰り返す悩みや生きづらさは、「気にしなければいい」「こう考えればいい」と頭では分かっていても、なかなか変えられないことがあります。

カウンセリングでは、まず今困っていることや、気になっていることからお話を伺います。

話していく中で、人との関係で繰り返していることや、そのときに感じていることなどを、一緒に少しずつ整理していきます。

過去の経験が今の苦しさにつながっているように感じられるときには、必要に応じてそのことにも目を向けていきます。過去のつらい出来事について、最初から詳しく話す必要はありません。

「何から話せばいいのか分からない」「自分の悩みが愛着やトラウマと関係しているのか分からない」という段階でも大丈夫です。

今困っていることから、その方のペースで一緒に考えていきます。

もう少し知りたい方へ

ブログでは、愛着やトラウマ、感情との付き合い方、人との距離や境界線、自分との関係などについて、テーマごとに詳しくお伝えしています。

「どうして人との関係で同じことを繰り返してしまうのだろう」
「過去の体験が今の自分に影響しているのだろうか」
「自分の気持ちが分からないのはなぜだろう」

そんな疑問がある方は、今の自分に気になるテーマから読んでみてください。

→ 対人関係・愛着・トラウマについての記事を読む