「何かを始めたからには、目に見える変化を起こさなければ」 「せっかく一歩踏み出したのに、何も変わっていない気がする」
新しいことを始めようとするとき、私たちはどうしても「ゴール(結果)」を急いでしまいがちです。 特に、心の問題や生きづらさを抱えているときは、「早くこの状態から抜け出したい」という焦りが、かえって自分を追い詰める刃になってしまうことがあります。
今回は、結果へのプレッシャーから自由になり、「今ここ」の自分にマルをあげるための考え方についてお話しします。
なぜ「結果」ばかり見ると足がすくむのか
私たちは無意識に、「変わること(結果)」に価値を置き、「今のままの自分」を否定してしまうことがあります。
- 「自信を持てるようにならなければ、やった意味がない」
- 「人間関係が円滑にならなければ、私の努力が足りないんだ」
しかし、結果というものは、相手の反応やタイミング、その日の体調など、「自分ではコントロールできない要素」に大きく左右されます。心は天候に左右される小舟のようにいつも不安定になってしまいます。これが、焦りや無力感を生む正体です。
心理学の視点:自分で選んでいる感覚(内的コントロール感)
心理学には「内的コントロール感」という言葉があります。これは「自分の人生の舵(かじ)を、自分で握れている」という実感のことです。
「結果」は自分以外の要素に左右されるため、そこを目標にすると「舵を奪われた状態」になり、不安が強まります。逆に、これからお話しする「プロセス(自分の行動)」に注目すると、舵を自分の手に取り戻すことができ、心は自然と落ち着きを取り戻します。

「自分の行動」だけにスポットライトを当てる
不安を和らげるコツは、結果ではなく「自分がコントロールできる行動(プロセス)」に注目することです。
- 結果への意識: 「誰からも否定されない完璧な振る舞いをする」
- 行動への意識: 「自分の気持ちを、一言だけノートに書き出してみる」
後者であれば、周りの反応に関わらず、自分の意志だけで完結できます。たとえその後、状況がすぐに好転しなくても、「ノートに書いた」という事実は揺るがないあなたの成果です。
行動そのものに注意を向けると、脳の「不安を司る部分」が静まり、代わりに「達成感」を得やすくなります。

実践:「行動ベース」で自分を評価する練習
「何かを達成したか」ではなく、以下の視点で自分を見つめてみてください。
① 「やろうとしたこと」を最大の成果にする
「外に出られたか」ではなく、「外に出ようと思って準備をしたか」を評価します。
- 情報を調べてみた
- 必要なものを用意した
- 玄関まで行ってみた
これらはすべて、あなたの内側で起きた「挑戦」という立派なアクションです。
② 「試行錯誤」にラベルを貼る
もし思うような展開にならなかったとしても、それは失敗ではありません。
「このやり方だと、今は少し負担が大きいんだな」という、自分に合うペースを知るための貴重なデータを手に入れたことになります。それは、あなたにとっての確実な前進です。
「今日、結果に関わらず『自分が選んでやってみたこと』は何でしょうか?」
「勇気を出して誰かに連絡してみた」「迷ったけれど、今日は休むと決めた」 そんな、あなたにしか見えない小さな選択を、まずはあなた自身が認めてあげてください。

【よくある質問】焦りが消えない方へ
Q:プロセスが大事なのはわかりますが、いつまで経っても結果が出ないと不安になります。
A:その不安は、あなたがそれだけ「良くなりたい」と願っている証拠であり、とても尊い感情です。
ただ、変化は「階段状」にやってきます。停滞しているように見える時期こそ、水面下で根っこが伸びている時間。今のプロセスを続けていること自体が、未来のあなたへの最大のプレゼントです。

まとめ
「変わること」を目標にする必要はありません。 大切なのは、結果という未来の不安から少しだけ離れて、「今日、これを選択した自分」に寄り添うことです。
その小さな「行動」の積み重ねが、いつの間にかあなたを一番心地よい場所へと運んでくれるはずです。

「8つのヒント」を順番に読んでみませんか?
新しい一歩を踏み出すための知恵は、他にもたくさんあります。今のあなたに一番しっくりくるヒントを探してみてください。
- [まとめ記事に戻る]:心を守りながら進むための「8つのヒント」全体像
- [前のヒントへ] / [次のヒントへ]
焦らず、あなたのペースで。一歩進もうとしている自分を、まずはたっぷり労ってあげてくださいね。
回復された方・変化を実感された方
実際の体験談を読む
体験カウンセリング
(オンライン)