1「それ、あなたの課題かも?」挑戦する私を静かに守る「心のバリア」の張り方

「新しいことを始めてみようかな」 そんなふうに、あなたが勇気を出して一歩を踏み出そうとしたとき。

「そんなの無理だよ」 「もっとこうしなきゃダメだよ」 「普通はこうするものでしょ」

周囲から投げかけられる無神経な言葉に、せっかくのやる気がしぼんでしまった経験はありませんか?

以前の記事(境界線(バウンダリー)とは?摂食障害やトラウマで悩む人のための自分を守る方法)では、自分と相手を分ける「心の境界線」の基本についてお伝えしました。 今回はその実践編として、「何かを始めようとするあなた」を外の声から守るための、具体的なガード術をご紹介します。

目次

なぜ「周りの声」がこんなに痛いのか

心理学では、これを「境界線(バウンダリー)が曖昧な状態」と呼ぶこともあります。特に、繊細な気質(HSP)を持っている方や、過去に強く否定された経験がある方は、相手が深い考えなしに放った言葉も、まるで自分の全人格を否定されたかのように鋭く刺さってしまうのです。

でも、ここで一つ覚えておいてほしいことがあります。 相手が何を言うかは「相手の課題」であり、あなたがそれを受け取るかどうかは「あなたの自由」であるということです。

心理学の視点:アドラー心理学の「課題の分離」

これは心理学で「課題の分離」と呼ばれる考え方です。「その選択によって最終的に責任を負うのは誰か?」を考え、自分の課題と他人の課題を切り分けます。

相手があなたに何を言うかは、相手の価値観や気分の問題(=相手の課題)です。一方で、その言葉を信じるか、聞き流すかはあなたの自由(=あなたの課題)です。この境界線を意識するだけで、対人関係の疲れは驚くほど軽くなります。

実践:今すぐ使える「心のバリア」3ステップ

外からの言葉に振り回されそうなときは、心の中で次の3つのステップを試してみてください。

ステップ①:アクリル板をイメージする

相手との間に、透明な「アクリル板」や「カーテン」があるのを想像してみましょう。 言葉は飛んできますが、その板に当たって足元にポトンと落ちるイメージです。あなたの心の中(聖域)まで、その言葉を通す必要はありません。

ステップ②:心の中で「魔法の言葉」を唱える

相手の言葉を聞きながら、心の中でこうつぶやいてみてください。 「それは、あなたの意見(感想)ですね」

これは相手を否定する言葉ではなく、「あなたの考え」と「私の考え」を切り分けるための呪文です。相手が何を思おうと、それは相手の世界の話。あなたの価値が減るわけではありません。

ステップ③:預かり票だけ渡しておく

「アドバイスありがとう。一旦預かっておくね」 そう思うだけで十分です。その場で自分の行動を変えたり、反論したりしなくて大丈夫。後で元気なときに、自分に必要かどうかを選別すればいいのです。

「誰の声」を聞くかは、あなたが決めていい

すべての声を平等に聞こうとすると、心はすぐにパンクしてしまいます。 あなたの「挑戦」を応援し、今のあなたのペースを尊重してくれる人の言葉だけを、小さな窓から取り入れるようにしましょう。

それ以外の「無責任な普通」や「一方的なアドバイス」は、受け取らずにそっと脇に置いておいていいのです。

「今、あなたを一番疲れさせているのは、誰のどんな言葉ですか?」

その言葉を一生懸命抱えておく必要は、本当にあるのでしょうか。 ほんの少し、その荷物を下ろして「自分はどうしたいか」に耳を傾けるだけで、心はぐっと軽くなります。

【よくある質問】バリアを張るのが苦しい方へ

Q:バリアを張るのって、相手を拒絶しているようで冷たくないですか?

A:いいえ、逆です。あなたが無理をして相手の言葉をすべて受け入れ、ボロボロになってしまうほうが、結果的に相手を恨むことになり、関係は壊れてしまいます。「預かり票」を発行して自分を保つことは、相手と長く穏やかに付き合っていくための「優しさ」でもあるのです。

Q:相手の言っていることが「正しい」気がして、バリアを張れません。

A:たとえ相手の言うことが「正論」であっても、今のあなたがそれを受け取って苦しくなるのなら、それは今のあなたにとっての「正解」ではありません。正しいかどうかよりも、今のあなたが「安心できるかどうか」を優先していいのです。

まとめ

一歩を踏み出すとき、あなたの心は生まれたての芽のように繊細です。 まずは、その大切な芽を「外の風」から守る囲いを作ってあげてください。

  • 相手の言葉は、相手のもの。
  • 自分の心には、アクリル板を。
  • 「それはあなたの意見ですね」と心で唱える。

この小さなバリアが、あなたが自分らしく進むための、静かで力強い味方になってくれるはずです。

もし「どうしても線が引けなくて苦しい」と感じる時は、その背景に過去の経験が隠れているかもしれません。そんな時は、こちらの境界線についての基本記事も併せて読んでみてくださいね。

一歩踏み出そうとしているあなたの勇気を、誰よりもあなたが守ってあげられますように。

「8つのヒント」を順番に読んでみませんか?

新しい一歩を踏み出すための知恵は、他にもたくさんあります。今のあなたに一番しっくりくるヒントを探してみてください。

焦らず、あなたのペースで。一歩進もうとしている自分を、まずはたっぷり労ってあげてくださいね。

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