トラウマによって引き起こされる反応は決してあなたの弱さではありません。それは、あなたが困難な状況を生き抜くために起こった、心身の自然な働きなのです。多くの方がトラウマから回復し、再び穏やかな日常を取り戻されています。この記事では、心理学的な視点から、トラウマからの回復プロセスを分かりやすく解説します。一緒に、ゆっくりと乗り越えていきましょう。
生野 信弘
1988年長崎大学医学部卒業。医学博士。
2001年に内科から精神科に転向後は、過食症の対人関係療法とともに、「複雑性PTSD」などトラウマ疾患を専門に外来診療を行ってきた。『トラウマからの回復』の著者でもある。
トラウマとは何か
トラウマとは、生命や尊厳が脅かされるような出来事によって、心に強い衝撃を受けた体験のことを指します。
DSM-5(精神疾患の診断と統計マニュアル)では、死や重傷、性的暴力といった深刻な脅威を「直接体験」「目撃」「身近な人の被害を知る」「嫌悪的な詳細への職業的曝露」といった形で受けた場合にトラウマと定義されます。
トラウマ体験には、交通事故や災害のような「単回性トラウマ」、家庭内暴力や長期間のいじめなど「複雑性トラウマ」、そして幼少期における継続的なネグレクトや心理的虐待など「発達性トラウマ」などがあります。
これらの体験は、時に心の深い部分に影響を及ぼし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、自己否定・愛着の問題といったさまざまな困難を引き起こすことがあります。
トラウマによる心理的・身体的な影響

トラウマの影響は、心だけでなく体や人間関係にも及びます。代表的な心理的反応として、以下のような症状があります。
- フラッシュバック(体験が突然よみがえる再体験)
- 回避行動(つらい記憶や状況を避ける)
- 過覚醒(常に警戒し、神経が張り詰めている状態)
さらに、複雑性・発達性トラウマでは以下のような症状も見られます。
- 感情のコントロールが難しくなる
- 「自分には価値がない」と感じてしまう否定的な自己概念
- 他者と深い関係を築くのが困難になる
- 慢性的な身体症状や不調、依存行動、解離など
こうした影響は決して「心が弱いから起きる」のではなく、私たちの心身が生き延びるために取った自然な反応です。
トラウマの定義や種類、症状の背景については、以下の記事で臨床心理学の視点から詳しく解説しています。

トラウマ回復のプロセス

適切な理解と段階的な取り組みによって、私たちは再び穏やかな日常を取り戻し、より強く生きることができるようになります。
ここでは、トラウマ回復の基本的なプロセスを4つのステップに分けて紹介します。
安全感の回復(物理的・心理的な安心基地の確保)
心の傷を癒すための最初のステップは、私たちが安心して過ごせる場所を再び見つけることです。まず優先されるのは、物理的な安全の確保です。もし、虐待、暴力といった直接的な脅威が存在するのであれば、そこから離れ、危険な環境から身を守ることを優先しましょう。さらに「ここは安全だ」と心から思える空間や、気持ちを理解し受け止めてくれる信頼できる人々との繋がりを作ることも重要です。
日々の生活の中で、以下のような工夫で安全感を育てることができます:
- 好きな音楽を聴く
- リラックスできる空間をつくる
- 心地よい香りや肌触りなど、五感を心地よく満たす
- 「安心できる時間」を意識的に持つ
そして、自分を大切にする行動は、心理的な安心感を高める上で重要です。バランスの取れた食事、質の高い睡眠、適度な運動を心がけ、好きなことやリラックスできる活動に時間を費やすことは、心の平穏を取り戻すことにつながります。
トラウマ記憶の整理・統合(語る・描写する・身体的実感を得る)
安全な環境が整ったら、次のステップは過去の記憶と向き合い、整理し、統合していく作業です。
これは一人で取り組む必要はなく、信頼できる専門家のサポートを得ながら、自分のペースで進めることが大切です。
トラウマ体験を扱う方法はさまざまですが、以下のような表現手段が有効です:
- 言葉で語る(カウンセリングなど)
- 書く(日記や手紙)
- 描く(絵やシンボル化)
- 身体の感覚を感じる(ボディワーク、マインドフルネスなど)
過去の経験を表現する中で、当時の感情や体の感覚を思い出すことがあります。恐怖、悲しみ、怒り、無力感、体の緊張、震え、呼吸の乱れなど、決して楽な過程ではありませんが、これらの感情や感覚を無理に抑え込もうとするのではなく、安全な場所で専門家のサポートを受けながら、少しずつ体験することがトラウマ記憶の統合に不可欠です。
過去の感情や感覚を思い出すことで、「あの時の感情が今の自分の考えや行動にどう影響しているのか」を理解できます。これは、過去と現在を切り離し、今を主体的に生きる第一歩です。過去の経験が現在の自分に与える影響に気づくことで、そのパターンを変える道が開かれます。
このプロセスを経て、つらい記憶は生々しい「現在進行形の出来事」から、少しずつ客観的な「過去の出来事」へと変化していきます。完全に忘れることは難しくても、その経験が今のあなたを支配する力を弱め、より穏やかな心で現在を生きられるようになることを目指します。
自己理解と自己肯定感の再構築

つらい経験は自己価値を傷つけ、「私が悪かったからだ」という自己否定感を生むことがあります。そのため、回復の過程では、過去と今の自分は違う存在であることを理解し、ありのままの自己を受け入れることから始めます。完璧な人はいません。良い面も至らない面も、過去の傷も含めて、それら全てが今のあなたを形作っている大切な要素です。「こんな自分でもいい」と認め、自己批判を緩めていきます。
自分の良いところや、これまで乗り越えてきた困難に目を向け、少しずつ自信を取り戻していくことが大切です。過去の克服はあなたの強さの証です。
日常の「小さなできた」を積み重ねることも大切です。「朝起きた」「優しい言葉をかけた」「少し挑戦できた」など、小さな成功体験が自己効力感を高め、「私にもできることがある」という自信に繋がります。
自己理解を深めることも重要です。
次のような問いかけを、自分に向けてみましょう
- 自分は何を大切にしているのか?(価値観)
- 何をしているときに喜びを感じるのか?(興味)
- どんな場面で力を発揮しやすいか?(強み)
- 逆に、苦手なことは何か?(弱み)
自己理解は他者の評価に左右されない、安定した自己肯定感を築きます。
新たな人間関係と生き方の模索
心の傷が癒え、自分自身との関係が再構築されると、再び外の世界との温かい繋がりを求めるようになります。過去の経験から学びながらも、それに縛られず、本当に大切にしたい人間関係を築き、心惹かれる新しい生き方を模索する段階です。
過去の傷つき体験から人を信じることへの恐れを感じるかもしれませんが、慎重になりつつも新しい出会いを求め、少しずつ心を開いて他者と関わることを試みましょう。
本当に大切にしたい人間関係とは、互いを尊重し、安心して本音を語り合える深い繋がりです。信頼できると感じる人には少しずつ心を開くことが、孤独感を癒し、新たな心の支えとなります。友人関係の見直しや新しい活動への参加を通して、新たな出会いを求めてみましょう。
自分の興味や関心に沿った新しい活動への挑戦は、人生に新たな喜びと意味をもたらします。以前興味が持てなかったことでも楽しめるかもしれません。新しいスキルを学んだり、創造的な活動に取り組んだりすることで、新たな発見や達成感を得て、自己肯定感を高めることができます。
過去の経験を糧に、恐れを手放し、心を開いて新たな繋がりを育み、自分の心惹かれることに積極的に挑戦していくことで、より豊かで充実した人生を歩むことができるでしょう。変化し成長した自分を信じ、新しい可能性を探求していくことが大切です。
有効とされる心理療法・アプローチ

認知処理療法(CPT)
トラウマ体験によって生じた、回復を妨げる誤った考え方や感情(認知)に焦点を当て、それらを修正することでPTSDの症状を軽減することを目指します。
CPTでは、トラウマ体験によって生じた考え方や信念(認知)に注目します。つらい出来事を経験すると世界や自分自身、他者に対する見方が大きく揺らいだり、変化したりすることがあります。
例えば、「自分はもう安全ではない」「誰も信用できない」「あの時こうしていれば防げたのに」といった考えが浮かびやすくなります。CPTでは、このような考えが現在の感情や行動にどのように影響を与えているのかを探り、それらの考えをより現実的でバランスの取れたものへと修正していくことを目指します。
持続エクスポージャー療法(PE)
トラウマとなった出来事に関連する記憶、感情、状況などを安全な環境で繰り返し体験することで、それらに対する過度な恐怖反応や回避行動を徐々に軽減していくことを目指します。
日常生活で避けている場所や状況に意図的に直面していく「現実エクスポージャー」とトラウマとなった出来事の詳細を言葉で語り、その時の感情や感覚を再体験する「想像エクスポージャー」があります。トラウマ記憶に対する過剰な恐怖反応を和らげ、安全であることを学習し直すことで、トラウマによる症状を改善することを目指します。
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理)
つらい記憶やトラウマによって引き起こされる心の苦痛を軽減することを目的とした心理療法です。
過去の嫌な記憶を思い出しながら、セラピストの指の動きを目で追ったり、左右交互に音を聞いたり、手を叩かれたりするといった、左右交互の刺激(両側性刺激)を受けることで、脳がその記憶を処理し、感情的な苦痛が和らいでいくと考えられています。
つらい出来事を詳細に語る必要がないため精神的な負担が比較的少ないと言われています。
パーツセラピー(内的家族システム療法)
心の中には様々な「パーツ」が存在するという考えに基づき、それぞれのパーツが持つ役割や意図を理解し、調和を取り戻すことを目指します。パーツには、トラウマによって傷ついたパーツと、それを守ろうとするパーツがあります。
傷ついたパーツを単に過去の自分としてではなく、現在の自分の中に存在する一つのパーツとして捉えることで感情的に巻き込まれることを防ぎ、より客観的に関わることができます。傷つきを守ろうとするパーツは、批判的、回避的になることや、様々な症状を引き起こすことでその役割を果たしています。これらのパーツをSelfという冷静で温かく、受容的な自分が癒していけるように導きます。
優しい受容的なアプローチによって、心の抵抗感を和らげながら、問題の根源にある感情やトラウマに深く働きかけ、持続的な変容を促します。心の構造を理解することで自己理解と自己受容が深まり、自己批判の軽減にもつながります。
マインドフルネス

トラウマ治療においてマインドフルネスを導入することは、「今ここ」の感覚に意識を向けることで、過去の記憶や感情に囚われがちな状態から抜け出し、心の安定を取り戻す助けとなります。
感情や思考を客観的に観察することで、それらに圧倒されることなく距離をとり、感情や思考に触れつつ巻き込まれないという状態を育むことができます。さらに、身体の感覚に意識を向けることで自己調整力を高めます。
継続的に実践することで、ストレス反応を和らげ、トラウマ反応の軽減にも繋がります。ありのままの自分を受け入れる自己受容の感覚を育むことも期待できます。
マインドフルネスは一般的に広まっていますが、トラウマを抱える方にとっては、かえって過去のつらい記憶を呼び起こしたり、強い不安を引き起こしたりする可能性も指摘されてます。そのため、安全に配慮した専門家の指導のもとで行うことが重要です。
ソマティックセラピー(ソマティックエクスペリエンス等)
心と体のつながりに焦点を当て、身体に蓄積されたトラウマのエネルギーや感覚に働きかける心理療法の総称です。従来の言葉による心理療法が思考や感情に焦点を当てるのに対し、ソマティックセラピーは、身体の感覚、動き、姿勢、呼吸などを通して、未処理のトラウマ体験にアプローチします。
トラウマ体験は、脳だけでなく身体にも影響を与え、慢性的な緊張、痛み、呼吸の浅さ、消化器系の問題など、様々な身体症状として現れることがあります。ソマティックセラピーは、これらの身体症状に意識を向け、安全な環境の中で、身体に閉じ込められた感情やエネルギーを解放していくことを目指すのです。
セッションはクライアントとセラピストの対話を中心に進められますが、その中で身体感覚への意識を向けるワークや、必要に応じて簡単な動きやクライアントの同意のもとで触れ合いが取り入れられることがあります。
セルフケアの限界と専門家の関わり方
「忘れよう」としてもうまくいかない理由
トラウマを忘れようとすればするほど忘れられないのは、脳の仕組みによるものです。私たちの脳は、危険な体験を強く記憶するようにできています。これは、再び同じような危険に遭遇したときに身を守るための自然な反応です。さらにその記憶は、感情と結びついているため、出来事を忘れようとしても、同様の感情を感じると記憶を呼び起こしてしまうのです。
また、「忘れよう」とすればするほど、その記憶は意識の奥底に押し込まれ、フラッシュバックや理由のわからない不安やイライラにつながるなど、様々な形で心や体に影響を及ぼすこともあります。
そして、辛い記憶を思い出さないように、特定の場所や状況、関連する話題を避けたりすることは、一時的には苦痛を和らげてくれますが、避けることでその記憶が持つネガティブな感情を増幅させてしまいます。さらに、そのような回避行動が日常生活に支障をきたしたり、自己肯定感を低下させたりする可能性もあります。

自己流ケアで悪化させないために
トラウマによる心の傷は、自己流のケアではかえって悪化することもあります。
無理に当時のことを思い出そうとしたり、辛い感情を抑え込もうとしたりすることは、フラッシュバックや感情の麻痺を強めてしまうことがあります。また、インターネットや書籍の情報も参考になる一方で、ご自身の状況に合わない場合や、誤った解釈をしてしまうことも考えられます。
ご自身の安全と心の健康を守るために、専門家のサポートを求めることは決して恥ずかしいことではありません。カウンセリングでは適切な対処法やトラウマとの向き合い方、心のケアの方法を学ぶことができます。医療機関では、必要に応じて薬物療法などの医学的なサポートを受けることも可能です。
「誰かに相談しても無駄だ」「自分で解決しなければ」と感じてしまうこともあるかもしれません。でも、トラウマ体験を生き延びてきたあなたが今必要としているのは、安心できる居場所や人とのつながりかもしれません。一人で抱え込まず、まずは相談してみましょう。
カウンセリングを受けるタイミングと目安
「カウンセリングを受けたほうがいいのかわからない」「いつ相談すればいいのか迷っている」という声は少なくありません。
そんなときは、次のような状態が当てはまるかどうかを、ひとつの目安にしてみてください。
- 日常生活に支障が出始めたとき: 睡眠不足、食欲不振、集中力の低下、イライラ感、気分の落ち込みなどが続く場合。
- 過去のつらい出来事を何度も思い出して苦しいとき: フラッシュバック、悪夢、当時の感情がよみがえるなど。
- 特定の場所や状況を避けようとするとき: 当時の状況を連想させる場所や人を避けるようになるなど。
- 感情のコントロールが難しくなったとき: 些細なことで怒りっぽくなったり、逆に感情が麻痺して何も感じなくなったりするなど。
- 誰にも相談できず、孤独を感じているとき: 周囲に理解してもらえないと感じ、孤立感を深めているなど。
- 自己嫌悪や罪悪感が強いとき: 自分を責めてしまったり、生きている価値がないように感じたりするなど。
- セルフケアを試みても改善が見られないとき: ご自身で様々な方法を試しても、症状が和らがない場合。
- 「もしかしたら専門家の助けが必要かも」と感じたとき: 少しでもそう感じたら、まずは相談してみることをお勧めします。
トラウマ回復に必要な「時間」と「支援」
「回復=完全に忘れる」ではない
トラウマからの回復と聞くと、「つらい記憶を完全に消し去ること」を想像するかもしれません。しかし、実際にはそうではありません。過去の出来事は、私たちの記憶の一部として確かに存在します。大切なのは、その記憶に縛られ、現在や未来の行動や感情が過度に影響を受け続ける状態から抜け出すことです。
トラウマ回復とは、過去の出来事を「なかったこと」にするのではなく、その経験を自身の人生の物語の中に意味づけ、折り合いをつけていくプロセスなのです。
成長と再構築のプロセスとしての意味づけ
トラウマ体験は、私たちに大きな傷跡を残します。しかし、その傷跡は、決して消えないものではありません。適切な時間と支援があれば、その経験を通して得た学びや気づきを活かし、私たちはより強く、しなやかな存在へと成長することができます。
過去のつらい経験を乗り越える過程で、私たちは自己理解を深め、新たな価値観を見出すことができます。それは、自己肯定感の向上や、他者への共感力の増大といった、ポジティブな変化をもたらす可能性を秘めています。
トラウマ回復は、単に元の状態に戻るのではなく、新たな自己を再構築していく創造的なプロセスと言えるでしょう。この成長と再構築には、それぞれのペースに合わせた時間が必要であり、無理に進めることは逆効果になることもあります。
信頼関係の中での“語り直し”の力

トラウマ体験は、言葉にすることが難しいほど深く、複雑な感情を伴うことがあります。誰にも話せずに抱え込んでいると、その記憶は心の奥底で化膿し続け、私たちを苦しめます。
しかし、安全で信頼できる他者との関係性の中で、自分の言葉で経験を語り直すことは、回復への大きな一歩となります。信頼できる相手に受け止められ、共感される経験を通して、私たちは孤独から解放され、自分の感情や経験を客観的に捉え直すことができるようになります。“語り直し”には、安心して話せる関係性を築くための時間、そして、自分のペースで言葉を探し、紡ぎ出すための時間がとても大切です。決して急いではいけません。
“語り直し”は、過去の出来事に新たな意味を与え、その経験を自分の人生の物語の中に再統合していく力強いプロセスなのです。専門家の支援はもちろん、家族や友人など、身近な人との温かい繋がりもまた、この“語り直し”を支える重要な力となります。
まとめ:あなたはひとりではありません
心理職として見てきた「回復する人の共通点」
長らく心理職として、多くの方々がトラウマと向き合い、回復へと歩まれる道のりを見守ってきました。その中で、困難を乗り越え、再び穏やかな日々を取り戻された方々には、いくつかの共通点があるように感じています。
- 自分のペースを大切にすること
- 小さな変化を喜ぶ心
- 他者との繋がりを求める勇気
自分のペースを大切にすること
ご自身の内なる声に耳を傾け、無理のないペースで回復への道を歩むこと。時には周囲と比較して焦ったり、立ち止まったりすることもありますが、それも含めてまたご自身の歩みとして受け止められるようになっていかれます。
小さな変化を喜ぶ心
大きな変化ばかりでなく、日々の小さな変化、例えば少し眠れるようになった、少しだけ気持ちが楽になったといった些細なことにも目を向け、喜びを感じることができるようになりながら、前向きな気持ちを育んでいかれます。
他者との繋がりを求める勇気
信頼できる家族、友人、支援者など、誰かに頼ること、話すこと、必要な時に助けを求める勇気を育んでいかれます。そのプロセスの中で、孤立せず、他者との温かい繋がりの中で、心の力を取り戻しています。
こうしたことの積み重ねの中で、どんなに辛い状況でも、「きっと良くなる」という諦めずに希望を持ち続ける姿勢を作っていかれているように思います。そして、その希望が、困難に立ち向かうエネルギーとなり、回復への道のりを照らしているのだと思います。
小さな一歩からでも回復は始まります
今、深い苦しみの中にいらっしゃる方も、どうかご自身を責めないでください。そして、ほんの小さな一歩からで良いのです。例えば、温かい飲み物をゆっくり味わう、少しだけ窓を開けてみる、信頼できる人に今の気持ちをそっと打ち明けてみる。そうした小さな一歩が、やがて大きな変化へと繋がっていきます。
その歩みを一緒に寄り添ってくれる安心できる場所やつながりは、一歩踏み出すごとに増えていき、自分自身への信頼感にもつながるということを忘れないでいてくださいね。
回復された方・変化を実感された方
実際の体験談を読む
初回無料の
オンラインカウンセリング