パートナーとの関係と過食を見つめ直してわかったこと
仕事やパートナーとの関係に悩む日々が続き、気分が落ち込んで会社に行けなくなった私は心療内科を受診しました。お薬と休職の効果で気持ちはだいぶ楽になりましたが、以前から時折起きていた過食の頻度が増えたままで、改善する兆しが見えませんでした。そんな中、主治医の先生の勧めでカウンセリングを受けてみることにしました。
初めてのカウンセリングでは
過食の悩みだけでなく、仕事やパートナーとの関係についてもじっくり話を聞いていただきました。何かを解決する具体的な答えを得たわけではなかったのですが、誰かにすべてを話せたことで心が軽くなった感覚がありました。
その後、先生から2冊の本を勧められました。最初は、読み始めようとすると心が落ち着かず、不安でなかなか内容が頭に入らないこともありました。でも、先生は私の状態に寄り添いながら、無理なくできることを一緒に考えてくださいました。「本を1章ずつ読んで、その内容を一緒に話し合う」という方法を提案していただき、それが私には合っていました。少しずつ本の内容を理解し、自分の気持ちにも向き合えるようになりました。
過食への見方が変わった瞬間
それまでは、過食は私にとって厄介で避けたいもの以外の何ものでもありませんでした。そんな過食が「つらい気持ちから自分を守るための方法だった」と教えていただいたとき、最初は信じがたかったのですが、次第に「これまでの人生の節々で過食という方法を使いながら困難を乗り越えてきた」という事実に気づきました。その瞬間、過食という存在を少しだけ受け入れられるようになった気がします。
とはいえ、回復の道は一足飛びではありません。パートナーと喧嘩をして一日中過食をしてしまうこともあれば、職場の上司とのやりとりで気分が沈むこともありました。でも、そうした出来事をカウンセリングで整理してもらうことで、少しずつ冷静な視点を取り戻せるようになりました。
回復の実感と新たな気づき
気づけば、過食の頻度は月に1回程度まで減り、先生から「回復の10の段階の8段階目にいる」と教えていただきました。振り返ると、カウンセリングを通じて得た「自分の気持ちに興味を持つ視点」が、自分を支える大きな力になっていたように思います。
現在も、環境の変化によって負担を感じることはありますが、そのたびに早めに気づき、自分で軌道修正ができるようになっています。今はほとんど過食の症状はなくなりましたが、定期的にカウンセリングに通い、気持ちを整理することが大きな支えになっています。
カウンセラーからのコメント
ご自身の気持ちや状況について丁寧に共有していただき、本当にありがとうございました。カウンセリングに取り組む中で、不安な気持ちや取り組みづらさを正直に伝えてくださったおかげで、ご利用者さまのペースを大切にしながら進めることができたと思います。その結果、少しずつ安心してご自身と向き合える環境を作るお手伝いができたのではないかと感じています。
カウンセリングでご紹介した「回復の10の段階」は、『摂食障害から回復するための8つの秘訣』(星和書店)での、摂食障害からの回復プロセスを段階的に示したものです。ご自身が今どの位置にいるのかを知ることで、これからの道筋や、どのような課題に取り組めばよいかが見えやすくなります。一歩一歩、進むペースや方法は人それぞれですが、ご利用者さまが前に進まれていることを感じられる瞬間に私も心から嬉しさを感じています。
取り組みの中で「しんどい」と感じる場面があった場合、それを伝えていただけることもとても大切です。それは、ご利用者さま自身がご自分の声に耳を傾け、自分を大切にする第一歩でもあります。回復への道のりを進むための方法はいくつもあります。その時々の状態に合った選択肢を一緒に探していきましょう。
日々の生活の中で、自分の気持ちに気づき、そこに関心を向けること。それが、自分自身への思いやりにつながります。そして、その思いやりが、自分の中に穏やかで前向きな気持ちを育み、「なんとかなる」という自分を信じる気持ちや安心感につながっていきます。これからもご利用者さまのペースを尊重しながら、共に歩んでいけることを心より楽しみにしています。
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